4年制薬学部を卒業した人の人生

新制度、4年制薬学部(薬剤師なれない学部)を卒業し社会へと出た私の日々の生活や不満、現代の日本社会に対する意見などを書いていきたいと思います。

製薬業界は儲かる?

こんにちは。
現在社会人四年目で製薬会社に勤める者です。

今回のテーマは「製薬会社は儲かるのか」について語っていきたいと思います。
業界には、インターネットや情報商材により利益を生むIT業界、車やテレビ、冷凍食品などモノづくりにより利益を生む製造業界など様々ありますが、
製薬会社はこの中でも製造業界にあたります。

結論から言うと、他の製造業界の中では製薬業界は儲かる方ではないかと思っています。

そもそも薬とはどのような消費者に必要なのか。
人はみんな、「健康でいたい」「生きたい」という欲求を持っています。
それは共通であり、もし病気になった場合
1.医師による外科的な手術
2.手術でも不可能なものは薬による治療
が主に必要になってきます。

しかも皆さんが普段受けている治療は「薬」によるものが圧倒的に多いのではないでしょうか。

このように「薬」はなくてはならない商品であり、もし画期的な薬を開発できたなら病気を治すために投与せざる負えなくなり、
生きるためには半ば強制的に「薬」を買わなければならないということが起こります笑

しかも国民の負担は健康保険により3割でよく、後の7割は国が負担してくれます。
すなわち、現状では「薬」の売り上げは国主導で守ってくれているのです。
ただ少子高齢化で国の医療費は42兆円(2018)と莫大に膨れ上がっています。
これは深刻な問題で今後医療費を削減する方向で動くと、国が製薬会社に払うお金も減らす方向に動くため、製薬業界の売り上げの低迷につながるといえます。

ただ現状は製薬会社は国に守られている、つまり安定していると言えるでしょう。

たとえば食品業界に関して言えば、日々変化する食に対する消費者の要求は食品業界に革新的なアイデアを求め、熾烈な競争を生み出し、国による補助もありません。
もし革新的な商品を生み出しても、消費者に飽きられたらその商品による利益は終わるのです。

しかし、「薬」は一度病気に効くものを開発すれば、特許が切れるまでその製薬会社に利益をもたらしてくれます。
「薬」には消費者によるトレンドや飽きというものがないのです。
製薬業界にはブロックバスターという言葉があります。それは、年間約1000億売れる「薬」という意味です。
画期的な薬を作ればとんでもない利益になるのです。

ただ「薬」の開発には気を付けなければならないことがあります。
それは「莫大な開発年月、費用」と「成功確率」です。

大体1品目の「薬」を開発するためには10~20年の歳月と200~300億円の費用がかかるのです。
またその「薬」が商品となる確率は1/30000といわれています。
この二つがかみ合って初めて「薬」ができるのです。
正直想像できない数値ばかりですね笑

一つの商品にこんなに開発費用も年月もかけられる会社なんて一握りしかありません笑
ただ裏を返せば、これぐらいの開発力がある会社はこのぐらいの資金力に余裕があり、やはり製薬会社は安定していると考えることもできるのです。

私はこの製薬業界で働いていて、やはり新薬開発の夢があると思いますし、トレンドや飽きのない商品を作るというのは、
極めて科学的に合理性を持って商品を開発できる点が面白いと思います。
むしろ商品に私情を挟むことができないのです。
病気に効くか効かないかだけが求められます。

ここに面白さが見いだせるかが製薬会社で働く上で重要だと言えます。